「ちょっといい?」


その声は低く、栞奈から笑顔もない。


いつもと違う雰囲気であることに気が付いた。


栞奈の後ろには今田美月(イマダ ミツキ)の姿もあった。


あたしと栞奈、その下のグループのいる子だ。


「なに? 話?」


あたしは笑顔を消して2人を見比べた。


グループの違う2人が一緒にいるところなんて、滅多にみたことがなかった。


「いいから、来なよ」


美月にそう言われ、あたしは怪訝な顔を浮かべて立ち上がった。


なにかよくない雰囲気がある。


でも、栞奈とは昨日も一緒にカラオケへ行ったのだ。


きっと大丈夫だろう。


そう思い、あたしは席を立ったのだった。