薬のおかげなのかもしれない。


「よかった! それが心配だったんだよね」


心底ア安心したようにそう言う美羽に、あたしは戸惑ってしまう。


あたしは、自分のことをイジッていたクラスメートに対して、そんな風に優しくはなれない。


栞奈や美月のことを本気で心配なんてできない。


「……ありがとう美羽」


あたしはそう言い、真っ直ぐな美羽から視線を逸らせた。


「大丈夫だよ。あたしたちは教室で菜々花の帰りを待ってるからね」


真由子にそう言われ、あたしは曖昧な返事しかできずに家に入って行ったのだった。