先生への誕生日プレゼントは、結局他のお店でネクタイを購入した。


あんな騒ぎになってしまったお店では、さすがに買う事ができなかった。


「ごめんね2人とも」


家へと向かう途中、あたしは申し訳なくなって穂香とみゆなへ向けてそう言った。


「え、なにが?」


ボーっとしていたのだろうか、穂香がビックリした声でそう聞き返して来た。


「今日の買い物、あたしのせいで台無しにしちゃって……」


「なに言ってるの? 台無しって、なんで?」


みゆなは瞬きを繰り返して、そう聞いて来た。


プレゼントは買う事ができたから、結果オーケイだと思ってくれているのかもしれない。


優しいな、2人は……。