「もしかして菜々花と尾高先輩って知り合い? クラスでハズられ者同士で?」


そう言って、美月がプッと噴き出して笑い出した。


背中に嫌な汗が流れていく。


「だったらなに? あんたたちは性格ブス同士で仲よしなんでしょ?」


我慢していた言葉が口からあふれ出していた。


普段なら絶対に言わないような言葉だけれど、友達のことを悪く言われるのは我慢ができなかった。


栞奈が驚いた表情をこちらへ向ける。


美月は目を吊り上げて睨み付けて来た。


緊張で体が強張るけれど、ここで引くわけにはいかなかった。


「あたしはなにもしてない。それなのに栞奈はひどい逆恨みをしてるだけだもんね?」


「なんだとお前!」


栞奈の声が荒くなり、胸倉をつかまれていた。


殴られる!


そう思って咄嗟に顔を背けた。