☆☆☆

翌日もいい天気だった。


学校までの行き帰りでジットリと汗がにじんでくる。


「おはよう栞奈」


教室へ入り、先に登校して来ていた栞奈にそう声をかける。


しかし、栞奈から返事はなかった。


どうしたんだろうかと思いながら、自分の席に座って鞄を下ろした。


「ねぇ菜々花」


そう声が聞こえてきて振り向くと、いつの間にか栞奈があたしの後ろに立っていた。


さっきは挨拶をしても返事がなかったのにと、苦笑いを浮かべる。


栞奈は気分屋なところがあるからだろう。


「なに?」