「それじゃあ、なにがいいかなぁ」


自分たちが買えるもので、なおかつ工藤先生が喜んでくれそうなもの。


考えてみるとなかなかむつかしい。


「あ、ねぇ……」


商店街の入り口まで来たとき、穂香が何かに気が付いて立ち止まった。


「なに?」


そう質問しながら同じように立ち止まり、穂香の視線を追いかける。


一番手前にある雑貨屋に、数人の同じ学校の女子生徒たちが入って行くのが見えた。


「あ……」


あたしは小さくそう呟いていた。


後ろ姿だけれど、毎日顔を突き合わせていたからよくわかる。


あれは栞奈と美月だ。


「あれって、1年3組の子だよね?」


穂香にそう聞かれてあたしは頷いた。