だいたい、工藤先生って何歳なんだろう?


見た目は30代半ばくらいだけど。


「だからさ、ここのクラス全員でお祝いしてあげたいなって思ってるの!」


「いいじゃんそれ!」


みゆなの提案にあたしは満面の笑みを浮かべた。


素敵な企画だ。


工藤先生はあたしたちみたいな生徒を受け入れ、ここで授業をしてくれている。


そんな先生にお礼ができるチャンスだった。


「男子たちでこの屋上を飾りつけしてもらって、女子たちでプレゼントとケーキを準備しようと思ってるの!」


みゆながそう言うので、あたしは屋上を見渡した。


グリーンのフェンスと貯水槽があるくらいで、何の飾り気もない場所だ。


椅子やテーブルもないから、あたしたちはブルーシートに座って勉強しているくらいなのだから、なにもない空間だった。