「上に2人の姉貴がいるんだ」


「あぁ、そうなんだ? 健太は末っ子?」


「うん」


そう言われればそんな気がしてくる。


「俺は1人だけの男で、両親からすごく喜ばれたんだ」


「へぇ、そうなんだ」


男が産れて喜ぶということは、それなりの家なんだろうか。


「俺の家、昔から医者なんだ」


あたしの考えをくみ取るように健太がつけたして言う。


「そうなんだ。医者なら女でもなれるのにね」


あたしは精神科の若い先生を思い出してそう言った。


「そうなんだよ。俺もそう思う!」


「なに? 急に大きな声になって」


驚いてそう聞くと、健太は嬉しそうにこちらを見ていた。