ただ、こうして2人きりの時じゃないとゆっくり会話ができないからだった。


「俺はまだ、いいかな」


そう言い、まだゴロンと横になる健太。


その姿が、自由に日向ぼっこをする猫のように見えた。


「ねぇ、健太って猫じゃないよね?」


思った事をそのまま口に出すと、健太は目を丸くして「はぁ?」と、首を傾げた。


「そんなワケないか」


そう言って笑う。


「残念ながら、俺は人間」


「そうだよね」


自由気ままな猫に憧れて、似たような行動をしてみたって、結局は決められたルールの中で生きている。


「それに、猫だってきっと大変だぞ」