良く晴れた休日に、自室にこもって勉強していたことをこの両親は見ていない。


勉強を頑張っても当たり前だと言われて、勉強していないと怒られる。


教師をしている父親からそんなことを言われるのは日常茶飯事だった。


「もういい」


あたしは短く言い、席を立った。


すぐにこの場を後にしないと、本当に吐いてしまいそうだった。


「ちょっと、ご飯は?」


「いらない」


そう答えて後ろ手にキッチンのドアを閉める。


途端に聞こえてくる父親の文句の声。


『お前の育て方が悪い』


『俺は仕事で忙しいのに』


そんな言葉から逃げるように、あたしは大きな足音を響かせて階段を駆け上がったのだった。