「ここに木のイラストを描いてください」


「木?」


そう聞いたのは母親だった。


そんなもの描いてなんになるんだ。


そんな顔をしている。


あたしは黙ってペンを持ち、白い用紙に木のイラストを描き始めた。


幹も枝も折れそうに細く、葉はすべて枯れ落ちている。


お世辞にも上手とは言えないイラストの出来栄えに、なんだか恥ずかしさを覚えた。


「ありがとう」


先生は最初の笑顔を浮かべたままそう言い、今度は50項目ほどありそうな質問用紙を取り出した。