頑張って文字を読もうとしても、どうしても無理だった。


今は工藤先生が全部口で説明してくれている。


それを、包み隠さず全部説明した。


「それ本当なの? 勉強が嫌で、嘘をついてるんじゃないでしょうね!?」


「そんなんじゃない!」


母親の言葉にあたしは強い声でそう言った。


「そんなんじゃないよ……。あたしだって、どうすればいいかわからない」


そう言う声が震えて、気が付けば頬を涙が流れていた。


「俺も、もっと早く両親に伝えるべきでした。すみません」


工藤先生がそう言い、母親へ向けて深く頭を下げた。


工藤先生は悪くない。


工藤先生は、あたしが両親へ伝えられるようになるまで、根気強く待ってくれていたんだ。