昨日1日教室で頑張ったあたしは、今日はずっと青空クラスにいた。


ここにいると笑顔が絶えなくて、無理をしなくていいから気持ちが楽だ。


それが逃げだという人もいるだろう。


だけど、窮屈な教室でわからない授業を聞くよりも、ずっとずっといい事だと、あたし自身は感じていた。


「工藤先生。テスト期間に入る前に勉強を強化してほしいんです」


1時間目が終わるチャイムを聞きながら、あたしは工藤先生へ向けてそう言った。


「ん? どうした?」


「あたし、学年で5位以内に入らないと学校を辞めさせられるかもしれないんです」


それは、クラスメートの誰にも言っていないことだった。


穂香たちの驚いた表情が見える。


「それは、どういうことだ?」


その質問に、あたしは父親との約束事を説明した。