自分が何を言われてどんな目で見られているか、聞かなくても理解できた。


「なに?」


あたしはあえて自分からそう声をかけた。


すると同級生たちは黙り込み、あたしかあら逃げるようにトイレから出た。


自分が威圧的な態度を取っていることはわかっている。


それが原因で逃げたのだと言うことも。


けれど、同級生たちの態度にイラついている自分がいた。


鏡の前に立ち、自分の顔を見ると目と眉が吊り上がっている。


「他人のことなんて、どうでもいいし」


あたしは鏡の中の自分にそう言い、トイレを出たのだった。