「おぉ~。なんだよお前ら、今日もラブラブか?」


頭上からそんな声が聞こえてきて顔を上げると、貯水槽の影から健太が顔をのぞかせていた。


今まで眠っていたのか、髪の毛が跳ねている。


ヒヨコのような髪型に、プッとふきだした。


「あぁ、まぁな」


源太がホッとしたような声でそう答えた。


見ると、源太と有馬の2人は手を繋いでいる。


やっぱり、そうなんだ。


源太と有馬は恋人同士で、それが原因で教室へ行くことができないのかもしれない。


「いいなぁ。俺も恋人がほしい」


健太がそう言いながら下りて来る。


歩くたびに寝癖が揺れるから、おかしくて笑ってしまう。