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今日は青空クラスのみんなから褒められて、少しだけ気分が良かった。


「ただいま」


いつもより大きな声でそう言い、玄関を開ける。


その時、父親の靴が玄関に置かれていることに気が付いた。


今日は早く帰る日だったようだ。


一瞬体に緊張が走った。


でも、あたしは別に悪い事なんてしていない。


父親へビクビクする必要だってないはずだ。


自分にそう言い聞かせて、靴を抜いだ。


「勉強はどうだ?」


階段を上がりかけた時、リビングから出て来た父親にそう質問され、あたしは足を止めた。


一瞬にして背中から冷や汗が流れて行く。


最近は文字が読めないから、勉強らしい勉強ができていない。


それ所か、教室にいる時間も少なくなっていた。