それから放課後までの時間、あたしは死んだように教室で過ごした。


時々聞こえてくる悪口を聞かないフリして、読めない本を読むフリをしてやり過ごす。


その時間が惨めに感じられて、何度もトイレに立った。


放課後のチャイムが鳴り響いた瞬間、あたしは鞄を手に立ち上がっていた。


まだ先生が教卓に立っているけれど、そんなことどうでもよかった。


一刻も早くこの空間から抜け出したかった。


友達のいる、青空クラスへ行きたかった。


教室を出る瞬間、後ろから栞奈が声をかけてきたけれどそれも無視して旧校舎へと走った。


まだ、みんな青空クラスにいるだろうか？


もう帰ってしまっただろうか？