1年3組の前まで来ると、あたしは深呼吸をした。


栞奈たちはまたなにか言ってくるだろう。


クラスメートたちからも、陰口を言われるかもしれない。


だけど、さっき思いっきり泣いたことで気分はスッキリとしていた。


勇気を出して教室のドアを開ける。


ガラガラと音を立ててスライドするドアに、教室の中が静まり返るのがわかった。


できるだけ目立たないようにしたいけれど、途中から教室へ入るとどうしても目立ってしまう。


「あ、まだいたんだ」


教室へ足を踏み入れるより先に、栞奈のそんな声が聞こえて来た。


あたしはそれを無視して自分の席に向かう。