そう言う穂香の横顔は、泣いているように見えた。


「最初は何を言われても忘れたフリをして、その時の映像も見て見ないフリをした。でも、次第に教室にいることが辛くなってきて、みんなの声や表情が怖くなってきて……教室にいられなくなった」


そこまで言って、穂香は大きく息を吐きだした。


「どこにいても同じだった。青南高校に入ってからも……。だけど、みゆなだけは違った」


穂香の言葉に、あたしはみゆなへ視線を向けた。


みゆなは照れくさそうにほほ笑んでいる。


「みゆなはあたしの能力を知っても、周りからの批判を知っても、変わらなかった」


「変わる必要なんてないもん」


みゆなは当然のようにそう言った。


「でもそれが原因で、あたしたちは2人でイジメられるようになったんだよね」


そうだったんだ……。