「どこ行く?」


あたしは栞奈へ向けてすぐにそう聞いた。


「カラオケとかどう?」


栞奈が手をグーにしてマイクを握る素振りをして見せた。


「いいね! 行こうか」


「今日もお金ないけど」


「いいじゃん別に。その辺の男を捕まえれば」


あたしはそう言って鞄を掴んで栞奈と2人で教室を出た。


バイトもしてない、部活もしてない。


だけど家には帰りたくない。


遊ぶにはお金がかかる。


そうなると、女子高生というブランドが役に立つ。


制服を着て歩いているだけでいくらでも男が近づいて来て、一緒に遊んであげれば支払いはすべて持ってくれる。