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トイレの外へ出るとようやく気持ちが落ち着き、涙が止まっていた。


「こんな所で1人で泣くくらいなら、青空クラスにおいでよ」


みゆながあたしの手を握りしめてそう言った。


あたしもそうしたかった。


でも、今日だけはと思って頑張ったんだ。


「2人はどうしてここにいたの?」


そう聞くと、穂香とみゆなの2人は目を見交わせた。


「あたしの話、聞いてくれる?」


何かを決意した様子で穂香が言う。


あたしたち3人は誰もいない体育館裏へと移動し、そこのコンクリートに座った。


「あたしね、カメラアイなの」


穂香の言葉にあたしは瞬きをした。


「カメラアイ?」


「そう。瞬間記憶能力っていうやつ」