なんで栞奈たちがそれを見て笑っていられるの。


次々と苦しい疑問が浮かんでくる。


理不尽で、やるせない気持ち。


「誰かいるの?」


不意にそんな声がトイレの外から聞こえてきて、あたしは耳を澄ませた。


どこかで聞いたことのある声だった。


クラスメートたちの声とは違う、優しくて強い声。


「誰か泣いてるの?」


穂香とみゆなだ。


どうして2人がここにいるの!?


そんなことを考えるより先に、あたしはトイレのドアを開けていた。