何度か会話をしたことのある子たちだ。


「菜々花!?」


1人が驚いて目を見開く。


「開けてくれてありがとう」


あたしは2人へ向けてお礼を言い、どうにか立ち上がって倉庫を出た。


思っていた以上に体が冷えていたようで、体育館の中が暖かいと感じられた。


「あ、あのさ菜々花……あたしたちが助けたこと、黙っててくれる?」


慌てた様子でそう言われて、あたしは硬直してしまった。


「え……?」


「ほ、ほら……3組の栞奈とか……ちょっと怖いし」


そう言って、あたしから視線を外す。


あたしが3組でどんな扱いを受けているのかも、すでに知っているのかもしれない。


それ所か、栞奈たちの影響は他のクラスにまで及んでいるのだ。


その事実に愕然としてしまう。