3組へ戻ると同時に、栞奈と美月の2人が近づいてきた。


「なにかチクったんだろ?」


突然そう言い、あたしの胸倉をつかむ栞奈。


「なにも言ってない」


あたしはそう言い、栞奈を睨み付けた。


「嘘つけ! お前が教室に来ない間、1人ずつ面談があったんだぞ! お前が担任に何かチクったからだろ!」


それは初耳だった。


そんなことがあったから、栞奈はあたしの動きに警戒していたようだ。


「あたしは何もしてない。ってゆーか、人の机にラクガキしたのを先生が見たんじゃないの?」


あたしはラクガキを放置して教室を飛び出したことを思い出した。


誰かがすぐにラクガキを消していればバレなかっただろうけれど、そんなことをしたとは思えなかった。


「はぁ!? あたしのせいだって言うのかよ!」