「文字が読めないことについては、先生たちもフォローする。だから、教室へ戻って来ない?」


その質問にあたしは目を見開いて先生を見た。


目が合いそうになった瞬間、逸らされる。


あたしのことをおもっての言葉じゃないことが、すぐにわかった。


きっと、他の先生たちから問題視されたのだろう。


「ほら、工藤先生も毎日授業しているわけじゃないから。どうしても出席日数が足りなくなってくるのよ」


そんなことわかってる。


ちゃんと危機感も抱いているつもりだった。


青南高校で成績が悪くなると、学校を辞めさせられるのだから人一倍努力をしているつもりでいた。


「もう少し考えます」


あたしはそう言い、教室へと戻ったのだった。