「今日は来たんだ? っていうか、まだこの学校にいたんだぁ?」


栞奈の声だ。


振り返らなくてもわかる。


あたしは教科書を手にしたまま、硬直してしまった。


栞奈の声を火切りにしたように、あちこちからざわめきが沸き起こる。


時にはあたしをあざ笑うような声も聞こえて来た。


全身から汗が噴き出す。


冷静になれと自分自身に言い聞かせてみても、うまく行かない。


「死んだのかと思ってたねぇ?」


美月が甘えたような声で栞奈に言う。