その瞬間、教室中が水を打ったように静かになった。


あたしの心臓がドクンッと大きく跳ねて、嫌な汗が噴き出して来る。


けれど、ここで回れ右をするわけにはいかなかった。


ゴクリと唾を飲み込み、1年3組の教室へ一歩踏み込んだ。


途端に、クラスメートたちからの視線が突き刺さる。


正に針の筵だった。


あたしは視線を下げて、逃げるように自分の席へと向かった。


机の上のラクガキは綺麗に消されていて、ひとまずは安堵した。


椅子に座り、教科書を準備する。


そんな中、クラス内から聞こえて来る会話はなかった。


みんながあたしを見ている。


その気配だけで、空気がピリッと肌に突き刺さる感じだ。