一週間ぶりに1年3組の教室へ向かう。


あたしの心臓は入学式の時と同じくらい早鐘を打っていた。


いや、もしかしたらそれ以上の緊張感かもしれなかった。


1度教室に行けなくなってしまった生徒が教室へ戻るのは、簡単なことじゃない。


今は休憩時間のため、廊下には沢山の生徒達が出てきていた。


時々あたしに気が付き、驚いた表情を浮かべる子もいる。


そう言う子たちは、あたしの事情を知っているのだろう。


そう思うと居心地が悪くなり、すぐにでも青空クラスへ戻りたい気分になった。


けれど、その気持ちをグッっと押し殺して、あたしは1年3組のドアの前に立った。


教卓側から入る勇気はない。


ロッカーが並んでいる後ろのドアを、極力音を立てないようにそっと開く。