今教室がどんな状態になっているのかわからない。


あたしがいないことで、なにか変化があっただろうか?


知りたい気持ちと、知ることが怖い気持ちが半々だった。


「菜々花には、クラスメートから連絡が来たりするんだろ?」


健太の言葉に、あたしは左右に首を振った。


「わからない」


「わからないって、どうして? 連絡先くらい、交換してるんだろ?」


その質問に、あたしは縦に首を振った。


確かに、みんなの連絡先は知っている。


けれど、文字が読めなくなってしまってから、あたしはスマホを確認していなかった。


誰かからメッセージが送られてきていても、それを読むことができないからだ。


その説明を健太にすると、健太は眉間にシワを寄せて、なんだか痛そうな表情になった。