「菜々花のお母さん、料理上手だね!」


広げたお弁当箱の中を見てみゆながそう言って来た。


「そう?」


普段から食べているから、あたしにはよくわからなかった。


「そうだよぉ! いいなぁ、こんな料理が毎日食べられるなんて!」


みゆなは本当に羨ましそうにそう言った。


自分にとっては当たり前のことでも、誰かにとっては当たり前のことじゃないだな……。


そう感じながらお弁当を食べていると、屋上へ近づいてくる足音が聞こえて来た。


ドアへと視線を向けると有馬と源太の2人がやってきた。


「2人とも遅いよ。もう食べてるよ?」


穂香が2人へ向けてそう声をかけた。


有馬と源太の手には購買で買ったパンとジュースが握られている。