ゆったりと流れる雲を見つめていると、自分の悩みなんてちっぽけな物に感じられてくる。


でも、いざ教室へ向かうとなると、やはり体は重たかった。


「無理しなくていいと思うよ?」


あたしの気持ちを見透かしたように健太がそう声をかけてきた。


「でも、授業は受けなくちゃ」


「そろそろホームルームが始まる」


健太がそう言ったタイミングで、ホームルームの5分前を知らせるチャイムが鳴り響いた。


教室へ戻らなくちゃ。


そう思うのに、気持ちだけが焦って体が動かない。


今朝下駄箱に入れられていた手紙を思い出す。


あれと同じようなものが机の中に入れられていたらどうしよう?