病院から学校までは思いのほか早くついた。


車というものは便利だけれど、あたしの気持ちは追いつかないままだった。


「行ってきます」


運転席に母親は向けて小さくそう言い、車を降りる。


生徒たちの波に乗り、校門をくぐって下駄箱へと向かった。


自分の下駄箱を開いた時、白い紙が入れられていることに気が付いた。


嫌な予感を抱きつつ、その紙を手に取る。


『死ね!』


『学校来んな!』


『ブス!』


きっと、卑劣な文字が羅列されているのだろう。


マジックで大きく書かれているというだけで、そう予想できた。