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翌日、あたしは母親の声で目を覚ました。


見慣れない天井に、ここが病院だと気が付いた。


視線を向けると母親はすでに着替えを済ませ、帰る荷物もまとめられている状態だった。


「学校までは車で送ってあげるから、早く準備をしなさい」


「どうしても行かないとダメ?」


そう聞くと母親は答えなかった。


代わりに大きなため息を吐き出して「帰って家事もしなきゃ。お母さんは忙しいの」と、呟いたのだった。