父親はきっと学校へ行けと言う事だろう。


それは分かってる。


でも、母親自身の意見が聞きたかった。


「お母さんは……どう思うの?」


あたしは喉に張り付くような声で、どうにかそう訊ねた。


「お母さんはお父さんの意見に賛成よ」


母親はあたしから視線を外してそう言った。


本当にそれが本心?


それならどうして、あたしと目を合わせてくれないの?


「あたしが学校へ行きたくないって言っても?」


「なに子供みたいなこと言っているの。青南高校へ通うことだってお父さんは許可してくれたのに」


あたしは母親の言葉にゆるゆると息を吐きだした。


今の母親には自分がないのだと分かった気がした。