ときどき、夢にタケちゃんが出てくる。幸せだったり、悲しくなったり、色んな気分にさせられる。

今朝見た夢はこうだった。

わたしはまだ小学生のようだった。
タケちゃんの家に向かうと、玄関の前に小さなお弁当箱が置いてあった。
わたしがそれを拾おうとすると、ひっくり返って中身がこぼれた。
タケちゃんが作ってくれたものなのに、どうしようと拾い集めてから、恐々扉を開けた。

すると、そこに高校生のタケちゃんが立っていて、わたしは本当に悪いことをしたと思って、「ごめんね、お弁当落としてごめんね」と謝った。
そしたら、「また作るからいいよ」と優しく微笑んでくれた。

良かった。こんなことをしても許してもらえるんだ。
タケちゃんはやっぱり優しくて、わたしはとっても愛されているんだな――満たされた感覚を味わい、それから、違和感に気づいていく。

タケちゃんは、もう生きていなかったんだ。そこで夢だと悟ると、ひどく悲しい気持ちに支配された。目の前にいるタケちゃんは目を覚ますといないんだ――。

目覚めると、瞳の淵から涙が一筋零れていた。

夢の終わりは悲しかったけど、タケちゃんに許されたあの瞬間を思い出すと、とても嬉しくて優しい気持ちになった。