そして、段々とタケちゃんの話を聞かなくなった頃、わたしは本当にタケちゃんが死んでしまったんだと理解した。



7月のはじめに、体育祭があった。

運動が得意な方ではないから、特に目立った活躍もなくクラスメイトの競技の応援ばかり専念していた。

こういうときばかりはクラスが団結する気がする。

体育祭は例年通りの盛り上がりを見せて、今年も大成功でしたねと校長が明るくスピーチした。

閉会式が終わり、月子と晴菜と教室に向かう。

「明日筋肉痛になりそー」

晴菜が腕を回すから、「わたしも」と笑った。

月子が急に足を止めると、掲示板に目をやる。晴菜がそれに気付いて「なに? 生徒会に立候補するの?」と冗談めいた口調で言う。

そこには生徒会からのお知らせが貼られていて、後期の生徒会選挙について書かれていた。

月子は「まさか。そんな時期なんだと思って見ただけだよ」と首を振り、歩きだす。