あの日の放課後、生徒会室に来てとタケちゃんから呼び出しを受けた。
ドアの隙間から中を覗くと、タケちゃんがひとり椅子に座って勉強をしているようだった。

「タケちゃん、どうしたの?」と、声をかけると、私に気がついて微笑んだ。開いていた参考書を閉じる。

「なんか美優と話がしたくなって」

わたしは嬉しくなって、「珍しいね」と笑ってみせた。

「今日は生徒会の集まりないんだね」
「うん。生徒総会も終わったとこだしね」

片隅に丸めて置いてある横断幕から、うっすら生徒という文字が見える。一昨日あった総会の片づけも全部終わっていないようだった。

他愛もない話をして笑っていると、急に部屋に沈黙が落ちた。タケちゃんは私を静かに見つめると、迷うことなく唇を重ねた
目を閉じて委ねていると、タケちゃんの唇が耳や首筋に触れてくるから、慌てて体を離した。

「タケちゃん、ダメだよ」

「なんで?」と静かにわたしを見据える。ドキドキしながら、「ここ学校だし。誰か来るかもしれないし」言い逃れようとしたけど、ダメだった。