タケちゃんのお葬式には、沢山の人が集まって、わたしは葬儀会場の前から、霊柩車を見送るだけで精一杯だった。

お葬式が終わり、家に帰って着替えをしていると、ふいに息苦しさを感じて、外に出た。
タケちゃんの家の前で立ち止まると、静かだった。タケちゃんが死んだなんて嘘みたいに、いつもと何も変わらない。

顔を上げてタケちゃんの部屋の窓を見ると、そこで勉強でもしているんじゃないかって思えた。

目をつむると、太陽も空気も空も何もかも変わらずあるはずなのに、何も存在していない気さえした。



「おはよー、美優」
「おはよう」

数日学校を休んだわたしに、月子が体調大丈夫だったかと気遣う。風邪が治ったことを伝えると、休んでた分のノート見る?と自分の席に取りに戻った。

トントンと机でノートと教科書の端を揃えながら、渡り廊下の方に視線を向けると、窓際に有村先輩が立っていた。
俯いてる姿は泣いているように見えて、隣にいる友達に励まされているみたいだ。眺めていると、ゆっくり歩き始め、見えなくなる。

ぼんやりしていると、近くの席の男の子たちが

「武山先輩、びっくりしたよな。事故って」
「ああ。本当に」
「つうかさ、バスケ部の先輩に聞いたんだけど、武山先輩と同じ予備校行ってる人が目撃した話」
「目撃って?事故見たのかよ」
「ちげーよ」

声を潜めて話し出す。