教室の中でひとりでいることが多くなった。
原因はきっと、晴菜がわたしを下に見ていたかったのに、柊碧人と付き合いだしたことが面白くなかったんだろう。わたしもわたしで、嘘がばれないようにって、素っ気ない態度をとったせいもある。
月子はたぶんどっちでも良かったんだと思う。気の強い晴菜の言いなりといった感じだ。もし、わたしがもう少し強引に月子を捕まえていたら、わたしの傍にいたかもしれない。

友達なんて最初からひとりもいなかったんだと、前から薄々感じていたことが、体から突き抜けていって、具現化されたようだった。

教室の窓から見上げた空は、気持ちがいいくらいの快晴で、帰りたい気分を更に高みにあげる。

保健室で休もうかなと、普段逃げ込むことのない場所へ足が進んでしまったのはそのせいだと思う。
吐き気や頭痛がすると保健の先生に伝えると、一時間だけ、保健室のベッドで休ませてもらえた。

シーツにくるまり目を閉じると、タケちゃんの顔が浮かぶ。
今、なんの授業だろう。どんな顔して勉強してるのかな。
わたしみたいに、机に突っ伏したりすることなく、きっと真面目に授業をうけているに違いない。
そう考えると心地よくなる。