晴菜の質問に「最近」とだけ、わたしは答えた。
「最近? 美優から告ったの? ていうか、いつから好きだったの?」
「うーん。最近かな」
「最近って」と、曖昧な答えに苦笑いされる。
「ごめんね。もう行かなきゃいけなくて。碧人と待ち合わせしてるから」
「もしかして、今日も学食?」
「うん」
晴菜は笑った。その裏側を想像した。
ムカつくに近いのかとか。どうせ遊ばれてるんだ、とか。またそうやって見下しているのかなとか。色々。
わたしは彼氏がいない寂しさなんか、感じたこともない。
求めてる人に求めて貰えないときのほうが寂しいってこと、わたしはよく知っている。
ひとりでいてもふたりでいても、さんにんでいても。
家族でも友達でも好きな人でも。なんでもそうだと思う。