ふと雨が降っているか気になって、耳を澄ます。それなのに、降ってるような止んでるような、どっちかわからない。こうしていると、たまに自分の体の機能が欠落しているような気分になる。

タケちゃんの「美優」の声に、終わったんだって気づいて、また安心した。

ふと柊碧人に言われたことを思い出す。

『泣きそうだね』
『武山先輩と、やってるときもそんな顔だったよ』

わたしは今、泣きそうな顔をしていたのか?

やっぱり気持ちが交わらないのに、身体だけの関係があるのは、切ない。
それが顔に出ているのかな。
それでも、タケちゃんは気づかないのかな。
抱きしめながら、今日もタケちゃんに好きって言った。
タケちゃんは何も言わないから、タケちゃんには、そんな言葉通じないのかなと、わたしは、最近よく思うんだ。