母と結婚してください。

「捨てるくらいなら、これからのお前の人生を、俺のために使ってくれ」

 あまりにギュッと抱きしめたものだから、痛い、とリコに怒られてしまった。怒りながら、それでもリコは何度か頷いたのが分かった。仕方ないね。そう言って、リコは涙を拭った。仕方ないから一緒にいてあげるよ。

 今度はリコから抱きしめてきた。そして――二度目のキスをした。