母と結婚してください。

 もう同じ失敗は繰り返したくない。目の前にいる大切な人が、どこかに行ってしまうなんて考えたくもない。

 さっき、人生をポイッて捨てたって言ったよな。気づけばそう僕は口を開いていた。

「リコ……捨てられたお前の人生を、今、俺が拾った。だからもうこれで俺のものだ」

 普段なら笑い話にしかならないような言葉を吐く。決して笑わせようなんて思っていない。真剣にリコにそう言ったのだ。