リコは両手で顔を覆う。鼻を何度かすすったのが聞こえた。ごめんなさい。そんな謝罪。ティッシュを箱から一枚取り出して、鼻をかみ、涙も拭った。
やがて顔を上げ、リコはゆっくりと僕の方を見た。
「まず、私のせいで結婚を諦めた相手は、今どうしるんだろうって考えました。年を考えたら、結婚して、家庭も持って、多分、子供だって居て……いいパパなんてしてるのかなって想像して――」
気づけばバイトで貯めたお金を全額持って興信所に駆け込んでいたのだとリコ言う。アルバムに写真もあったし、名前だって分かっていた。年齢まで分かっているのだから、興信所だってさして苦労はしなかっただろう。
やがて顔を上げ、リコはゆっくりと僕の方を見た。
「まず、私のせいで結婚を諦めた相手は、今どうしるんだろうって考えました。年を考えたら、結婚して、家庭も持って、多分、子供だって居て……いいパパなんてしてるのかなって想像して――」
気づけばバイトで貯めたお金を全額持って興信所に駆け込んでいたのだとリコ言う。アルバムに写真もあったし、名前だって分かっていた。年齢まで分かっているのだから、興信所だってさして苦労はしなかっただろう。


