そんな気持ちでいるものだから、彼女に誘われるがまま、休みの日に、時間を共にすることも増えてくるのは、当然と言えば当然だった。

 街を歩いて、ウィンドーショッピングをすると、リコは必ずと言っていいほど腕を組んでくる。こっちこっち。とにもかくにも良く引っ張られるものだから、彼女のペットの犬になったような気さえしてくる。

 ポチ、そっちじゃないよ。こっちでしょ。早く早く。そんな気分。

 イニシアティブは決して譲られることもなく、終始、彼女のペースで時間が過ぎていく。気に入った店があれば、こっちの都合も関係なく、その店に入って行く。時々、下着の売っている店になんて入ると、居心地が悪くて仕方がない。でもリコは気にも止めないのだ。分かっていてわざとしているのかもしれない。彼女はいつもどこ吹く風なのだ。