リコは割り勘を要求してくるが、その大半は僕が払っていた。会計をしている間、リコはいつもずっと横に居てくれる。お金を払って、お釣りを貰って、レシートを受け取って、それらを財布に仕舞いながら店を出る。出たところでリコは向かい合うように立つ。ごちそうさま。何でも許してしまえそうな、天使のような笑みで、深々と頭を下げてくる。
どういたしまして。そう返事を返し、この笑顔のためなら、何度でもお金を出せるだなんてことまで思ってしまう。
でも。もうリコは隣にいない。これでおしまいということなんだろう。さながらに焼肉代は手切れ金と言ったところか。
どういたしまして。そう返事を返し、この笑顔のためなら、何度でもお金を出せるだなんてことまで思ってしまう。
でも。もうリコは隣にいない。これでおしまいということなんだろう。さながらに焼肉代は手切れ金と言ったところか。