晩御飯はいつも割り勘を要求してくるリコでも、その日ばかりはレシートを僕に押し付けてきた。

「……ごちそうさま」

 素っ気なくそう言って、リコはさっさと店を出ていってしまう。

 レジでお金を払いながら、携帯で時間を確認した。夜の11時を回っている。店のドアは閉まっていて、外の様子は見えないが、リコはきっと、そのまま帰ってしまったに違いない。