笑顔一つ見せず、引き締まったままのリコの横顔。未だかつてここまで険しいリコの表情を見たことはない。取り返しのつかないことをしてしまったのだ。改めてそう思う。

 時間の経過とともに少しずつ冷静になっていた。やはり20歳という年の差は大きいということだ。それはそうだ。こちらが成人式をした年に、リコはおぎゃあと生まれてきた。僕はお酒を飲むこともタバコを吸うことも許されていたのに、リコにいたっては、目さえはっきり見えていなかったのだ。

 それだけの差を埋めるのは簡単なことではない。ましてや恋愛に不器用な僕のことだ。うまくいくはずなんてない。