がくりと肩を落とすと、瑠威は意地悪な笑みを口元に履いて言った。

「まぁ、そう落ち込まないでよ。多分だけど…アンタとは、感性が近いんだ。何の根拠も無いのに、アンタならオレの事を解って貰えると思った。それは本当だよ?…だけど。」

 そこまで言うと、瑠威は、不貞腐|《ふてくさ》れた様に視線を外して呟いた。

「…そんな事、面と向かって言える訳ないじゃない。恥ずかしい。」

「恥ずかしい??どうして?」

「だって…オレの勝手な思い込みかも知れないし。もし勘違いだったら、それこそ馬鹿みたいじゃないか!」

 言い捨てるなり、プイと横を向く瑠威。
その頬は、ほんのり紅く染まっていた。

「オレ…別に、アンタが嫌いな訳じゃない。」

 耳を真っ赤にしながら、瑠威は言う。

「第一印象は最悪だったけどね。初対面の俺にズケズケ物を言うし。年上風吹かせて、やたらと偉そうだし。だけど、アンタの言葉には嘘が無い。正論だから、反論も出来ない。そういうのが、一番質が悪いんだ。調子が狂っちゃうんだよ!」

 印象が悪かったと言われて、妙に納得してしまう。

瑠威の言い分は、もっともだ。
確かにボクは、初めから彼にズケズケ物を言い過ぎていたかも知れない。

彼と会う時──。
ボクは大抵、金目になっていた。