そうして。
自分に器量が無いと自覚するまで、一体、何年掛かったのだろう?

親父は結局、一族の事も、六星の事も…首座が負うべき責任も、何一つ告げずに逝ってしまった。

ボクの努力は全て無駄だったのだ。

 子供らしい浅はかさで重ねた努力。
最初から何も期待されていなかったのに…それに気付きもせず、ボクは無意味な時間を過ごしただけだった。

 もう二度と、あんな想いはしたくない。
これ以上惨めな気持ちになるのは御免だ。

当主も家業も首座の務めも──ボクには元々、無縁な世界にあるものなのだ。